(2019/8/4まで)「斬首譚」和田聡文個展 / IAF SHOP* #IAFshop #和田聡文 #diary

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この記事は公開から4年、最終更新日からも4年経過しています。内容が古くなっている可能性があります。

展示エリアに入った瞬間、思わず笑ってしまった。
今回もものすごいことになってるぞ、って

夏の梅雨の豪雨のじめじめとは裏腹に爽やかに出迎えてくれたはずだった
が、和田さんの個展だからそんなはずはないなあ、って思ったら、期待以上にそんなはずはなかった。
音は確かに爽やかかもしれないけれど、(いや、その日は、福岡市内、豪雨の日であったということも大いに影響しているのだろう)
インスターレーションされた作品群は、こういう場だからこそ直視が可能であり、街中に突如見かけたら思わず目をそらすに違いない。

第二の部屋ではテキスト主体の作品群があり、
組織の中での、1メンバーの立ち位置とそれをマネージするメンバーの立ち位置とさらには、それらを代表する社長のような立ち位置と、その組織の立ち位置の説明が懇切丁寧に説明され、どれもこれも納得させられてしまう作品群。
また、それらの立ち位置をつなぐ、コミュニケーションの質についても懇切丁寧に説明され、これも納得させられてします作品群であった。

組織の中の1メンバーの悲哀、いや、重要性、いや、どちらなんだろう。

和田さんと世間話をする。
佐藤さんも加わりあーだこーだ。
アルコールを飲む予定はなかったのだけどジーマ。

さささっと次の予定の場所に移動するはずだったのだが、ずいぶんと長くいたような気がする。

おすすめです。

—-
「斬首譚」 –

「斬首譚」
作家名:和田聡文
会期:2019年7月18日(木)~8月4日(木)
時間:木・金曜日18:00-23:00 土曜日13:00-23:00 日曜日13:00‐18:00
休廊日:月・火・水曜日休廊
料金:入場無料
場所:IAF SHOP*
福岡市中央区薬院3-7-19 2F
TEL:090-5475-5326(佐藤)
http://iafshop.tumblr.com/

〇展覧会内容
ある時は【本展示】と称し、またある時は【イタズラ】と称し、今まで何度もIAF SHOP*の空間を歪めたり整えたりしてきた和田聡文さんが久しぶりに作品を発表します。
紙で作られたオブジェ、絵画、テキスト、写真、さらに照明や音も加わる独創的なインスタレーションで知られる和田さんですが、はたして今回はどうなるのでしょうか。ヒントは以下、作家からのコメントをどうぞ。

〇作家からのコメント
和田聡文と申します。
今回IAF SHOP*にて3年半ぶり4度目となる個展を行います。
障子紙に描かれた墨絵の人物像とゴム版画の人物像、照明と音響によるインスタレーション。
意味を説明せんと足掻いた末のテキスト群とピクトグラムとQRコードを展示の鏡像として併設します。


資本と信用と評価。働くものの悲哀の話。
でも、ダンバー数に縛られて、そんなに仲良く出来ないし。

ダンバー数(wikipedia):
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダンバー数

■■ 斬首譚 ■■

アタシさぁ、組立、上手いんだ。
毎日、「ぽにぽに社」で「ぷにぷに」100個、組立てんの。
うちの課、10人居るけど、ぜったいあたしが一番上手。
アタシが組んだ「ぷにぷに」。見たらすぐ分かるもん。
アタシのやった仕事だって、すぐ分かる。上出来。バツグン。

でっさぁ、たまたま会った経理の人に自慢したら、
知らないって言うの。アタシなんて。
組んだのはアタシじゃないって。
組み立てたのは、うちの「課」で、課長の人だって。

で、ちょっと、ガッカリしちゃって、ウラウラして、
プラプラ、廊下で、貼ってあった社内報を見てたの。

社長いわく、
【ぽにぽに社は、3万個の「ぷにぷに」を今月作りました】
とのこと。

社長の写真が載ってて、社長の後ろのひな壇に課長が写ってんだけど、

 顔が無いの。首から上が無いの。
 そう言えば、課長の顔、覚えてないの。アタシ。

それでさぁ、もう終業時間だし、疲れちゃったし、
給料日だったので、帰ることにしたの。お腹空いたし。

で、行き付けの飲み屋に寄って、夕飯、食べたの。
ボーとしてたら、テレビでニュースやってて、
『「ぽにぽに社」は株主の物だー。』とか株主総会で叫んでるの。

会長様が叫んでて、会長の後ろのひな壇に社長が写ってんだけど、

 顔が無いの。首から上が無いの。
 そう言えば、社長の顔、覚えてないの。アタシ。

で、話のついでに、行き付けの飲み屋の店主に自慢してみた。

『アタシ、この「ぽにぽに社」で働いてるの。
 一番良い「ぷにぷに」はアタシが組み立てたの。』

でも、知らないって。アンタが誰だか分かんないって。
でっさぁ。慌てて顔を触ってみたの。でも無いの。

 顔が無いの。首から上が無いの。
 そう言えば、自分の顔、覚えてないの。アタシ。
 名前もわかんないや。

 そういえば。

  先月、お給金をもらって、自分の名前にサヨウナラを言った。
  今月、お給金をもらって、自分の名前にサヨウナラを言った。
  だぁれもあたしをおぼえてないので、
              すてきななまえをあたしはかむる。

恥ずかしいし、首うえ、うっすら、寒いので、
カバンから「ぽにぽに社」マークの安全帽を出して、冠ったの。
そしたら、店主、分かったの。

『ああ、「ぽにぽに社」の社員さんでしたか。
 おたくの「ぷにぷに」が無いと一日も暮らせません。
 壊れても買いなおせば、品質、まったく同じでありがたい。』

店主、にっこり、笑ってた。「社員」もにっこり笑ったよ。

■■ すてきな男女11名の図、お部屋の壁4面にいっぱい。
■■ および、部屋中央に光の柱を為す、
■■ 首無し男女墜落の図、4枚による展示。
■■ 毎日、雨が降るよ。鯨幕も垂れ下がる。
■■ 追加の展示物も幾ばく。
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