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河合拓始さんによるプリペアド・ピアノの世界。
企画そのものも刺激的だし、プリペアド・ピアノを曲ごとにその場で構築していくプロセスも興味深く
演奏した楽曲や、最終的な成果となる「演奏」も本当に貴重な体験かつ素晴らしいものだったと思う。
福岡でこういう機会、ほぼないのでは?と思うので、個人的には歴史的瞬間に立ち会ったとさえ思っています。
※プリペアド・ピアノはピアノを痛めてしまうという可能性もあり、またその手法そのものや音楽そのものに対する批判も当然あるようです。ですので、イベント自体もなかなか簡単に実現はできないとのこと。
ドライバー、フェルト、ボルト、ナット、布、そういったものがもたらす音の変化。
一聴、ドライで硬質な音でありながら、極めて表情豊かな音色が鳴る瞬間。
プリペアドされていない鍵盤とプリペアドされている鍵盤の音の対比。
音階がありながらパーカッシブな音。
音の跳躍や強弱、そういった通常の音楽の要素も「生演奏」だからこそ訴えかけてくる。
ピアノの周りを囲んだり、ピアノの上からのビデオカメラの映像がプロジェクタに映しだされたりして、プリペアドの様子を堪能、またその間の説明に河合さんのお人柄も感じ取れるあたたかい時間。
※その背景にはかなりの準備時間が必要だったことが容易に想像されるのでした。
最後の「危険な夜」でなぜか、坂本龍一やYMOの楽曲をイメージしていた。
ポップさとアバンギャルドさが同居しているというか。
楽しかった。
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P.S.
会場の隅の方にいたのでプリペアド・バスクラリネットとか、プリペアド・ライブペインティングとか冗談も言ってたのですが、
それをケージ自体がどう思うかはさておきそんな妄想も楽しいものでした。
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レクチャー&ピアノ・コンサート ~プリペアド・ピアノと内部奏法~ 第2回「プリペアド・ピアノについて」
2015年7月18日(土曜日)
話・ピアノ:河合拓始
art space tetra
演奏曲目:ジョン・ケージ「危険な夜」「ホロコーストの名のもとに」
「瞑想のための前奏曲」「ピンボケの源」「季節外れのヴァレンタイン」
「マルセル・デュシャンのための音楽」「私たちの春が来る」
◆ 以下余談 ◆
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偶然なのか、引っ越しの最中、CDを梱包してしまった僕は、YouTubeで聴いたことのない音楽を探して聴いていたんだけど
これをリピート再生していた。*7/13のツイートより
John Cage, Sonatas And Interludes, Louis Goldstein piano こういうの大好き!面白すぎ!!
https://t.co/5w2DFfZ6cj
— 中村勇治(7/21Riverside) (@neco_ug) 2015, 7月 13
1時間ほどあるので、今回のレクチャーではこれを聴くことは出来なかったけど、
こういう楽曲、コンサートでぜひ聴いてみたい。
(wiki-英語版)Sonatas and Interludes
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