足立正生『略称・連続射殺魔』上映 / トークイベント:風景論と現在 (9/13,art space tetra)

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冒頭から流れてくるバスクラリネットの音にまず引きつけられてしまう。
もしかして、高木(元輝)さんだな〜
と思い、上映後、検索してみると当たりだった(そして、今日、「アイソレーション」をAmazonでポチッとしてしまった)。
とはいうものの、予備知識があったのかもしれない。
先日、大友良英さんと副島輝人さんの対談の録画放映がDOMMUNEであった時にもこの映画のことが取り上げられ、こんなツイートをしていた。

いきなりバスクラリネットの話で恐縮だが、この音楽がとにかく、映画の雰囲気にマッチしててバスクラリネットを吹く(そして高木さんの音が好きだ!)僕はもう少なからぬわけのわからない達成感を得ていたのであった。

映画の話に戻りましょう。
1968年の秋に連続射殺事件が発生し、永山則夫が逮捕されたのが翌1969年の春。
そして、この映画はその年;1969年に制作されている。
そして映画の内容は永山則夫が生まれてから逮捕されるまでの軌跡を追ったもの。
バイト先の映像まで追っている。(例えば、ジャズ喫茶・ビレッジバンガードの看板まで場面として出てくる)
逮捕された年に、いわゆる凶悪犯罪を犯した犯人の、軌跡をおっかけるなんてこと自体が僕には驚きだった。
※いや、取材すれば普通に出てくる事実なのかもしれないけど、それを題材にこんなに短期間に映画にすることは普通なのか?

永山則夫の存在は、なんとなく知っていた。
あと、昨年5月に広島市現代美術館で観た「日本の70年代」でも彼の作品が(具体的には忘れてしまったが)象徴的な存在だったように思う。

でも監督の足立正生の名前を知らなかった。少し調べてみると、「幽閉者 テロリスト」という映画では大友良英が音楽を担当している。
うーむ、これは気になる!!

また横道に逸れた。
映像は(意図しているのか意図していないのかは不明だけど)手ブレだらけで、そして、至近距離で撮影しているために動体のスピードも速く(慢性的に疲れがたまっていたせいもあるが)僕は目が回りそうで、帰宅後、頭痛、珍しく、速攻で布団の中に直行だった。
ぐるんぐるんぐるん、回る。
いや、そういう映像の作りかたなんだろうか?
でも気分が悪いから、目を逸らすというわけでもなく、頭痛がひどくなっていけばいくほど、見逃してはいけない場面が増えていったような気もした。

風景論という手法で作られているとのこと。
台詞はなく、映像が永山則夫の軌跡を追っていき、要所要所で事実を淡々と述べるナレーションが入る。
冒頭と最後に出てくる

「去年の秋 四つの都市で同じ拳銃を使った四つの殺人事件があった 今年の春 十九歳の少年が逮捕された 彼は連続射殺魔とよばれた」

という文章が実は正式なタイトルであることを、いま知った。

高度成長期という時代背景と、日本のフリージャズの黎明期と、実はこの頃には僕は生まれていたという事実と、色々な事実や感想が頭をよぎっていくそんな映画だった。

—-
映画上映後、山内光枝さん、鈴木淳さん、森元斎さんの3人がそれぞれの視点から、「風景論と現在」もしくは映画の感想を述べられた。

(お三方の話とはずれるかもしれないけど僕の思った感想というか雑記は以下)
権力。その反対の意味の言葉ってなんだろうと考えた。公共?
権力ってなんで生成されるんだろうか?
国民の一部によるものなのか?それとも国民全体によるものなのか?それとも海外も含めた全世界によるものなのだろうか?
という疑問。

風景を生成するもの、一方で風景を壊す存在。
でも、風景を壊す存在も、もしかすると風景を生成するものかもしれない。
という疑問。

風景になじむもの、風景になじまないもの。
でも、なじんだからといって、未来永劫、その風景が維持されるわけではないということ。
なじまないものだって。

1人ずつのトークも面白かったけど、3人のディスカッションも聞いてみたかった気もする。

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Against 2014Fukuoka Extreme Film FestivalAdachi Masao : Cinema / Deterritorialization Screening / Discussion"A.K.A. Serial Killer"Directed by Adachi Msao|Japan|1969|85min | Against 2014Fukuoka Extreme Film FestivalAdachi Masao : Cinema / Deterritorialization足立正生『略称・連続射殺魔』上映 / トークイベント:風景論と現在 | art space tetra
2014年9月13日(土)

足立正生『略称・連続射殺魔』上映 / トークイベント:風景論と現在
68年の秋、東京・京都・函館・名古屋で拳銃による連続殺人事件を起こし、69年春に強盗未遂の発砲事件で逮捕された当時19歳の永山則夫。カメラは彼の生地・北海道を起点にして足跡をなぞりつつ北から南、東から西へと移動しながら彼が目にしたであろう風景を捉えてゆく。
この実験的なドキュメンタリーで映画的に実現された「風景論」は、どのように同時代の映画、芸術および社会に用いられたのか。
上映後、2人の芸術家、哲学者および本イベントのキュレーターらがディスカッションし解釈を試みます。
ゲスト: 鈴木淳(アーティスト)/ 山内光枝(アーティスト)/ 森元斎(哲学者)/ シェーン・ボーデン(deterra)


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