この記事は公開から7年、最終更新日からも7年経過しています。内容が古くなっている可能性があります。
この前の日曜日のことだ。
会場に席に着くと、ふいに、後ろから肩を叩かれる。
「なんでー」
「こんにちは」
「ごめんーなんでーは失礼やった」
そこからこの公演は始まっていたのかもしれない。
1週間たってふと思った。あれも演出だったのかって?
———–
すでに始まっていたのか?トラブルだったのか?
ああ、そんな気もしていたけど、やられた。
先日、踊り、朗読、演奏のコラボライブで共演した山本くんの演出。
演者と観客はそれぞれの立場を維持したまま場所のみ入れ替わった。
でも、秩序のない彼女の一心不乱で激しい動きと、たんたんと朗読する馬場くんを、あの場所でみたことは結構印象に残っているだろう。
rule1で共演し、rule2を目撃し、rule4も目撃した。それらはかなり実験的なものだったと思うけれど、モザイクはそれらの実験結果が構成要素となっていた。
陰湿集団、いったん活動一区切りなのはちょっと残念だな。
「モザイク」構成・演出:山本貴久
——
朗読
そして後ろでは意味もない、そしてそれはおそらく意味のある動きと言葉。
朗読
2つの個性の対比と1つのグループの集団個性の融合。
朗読
まわるまわるまわる、腕を上げる腕を上げる腕を上げる
速度は変わる速度は変わる速度は変わる
「Halo/Earth」構成・演出:田村さえ
——
床に落とされた、ちりばめられたカードにこめられたもの
それらはランダムに置かれていたようできっとそうではないのだろう。
最初はランダムに置かれていたものをランダムにとってストーリー展開するのかな、とも思ったけどそうではなかった。
バラバラだったものは一箇所に集められた。
その意味するところ、意味しないもの。
「旅の準備をするにあたり」作・演出:田村さえ
——
※ごめんなさい、元より、情報量が多いと(今回は圧倒的に演出に関心が向いていたので)、言葉の認識が人より遅いところがあり、台詞や朗読の内容があまり思い出されません。
若い才能が新しいこと(多分。僕が知らないだけかもしれないけど)をやってて、こういうのは、ぜったい、続けていってほしい。
どうか、先輩方、妙な批判しないでほしいな。
そこから何か絶対面白いものがうまれてくると思う。
固定観念や常識なんていずれは崩壊するに違いないから。
そんなことを考えた1日だった。
そしてこの日はあることが気がかりで気がかりで気がかりだったのでとにかく動き回るしかなかった日だった。その動き回る最初の一コマに感謝をしています。
あと、低音楽器仲間ということで僕、認知されてました。
——
灯台とスプーンCollaboration live vol.2 “Spring assortment” with 陰湿集団
「モザイク」構成・演出:山本貴久
「Halo/Earth」構成・演出:田村さえ
「旅の準備をするにあたり」作・演出:田村さえ
−−
3/12(日)
出演
安藤美由紀
田村さえ
柳田詩織(以上、灯台とスプーン)
馬場修平
山本貴久(以上、陰湿集団)
木下ひかり
成清花菜
−−
「モザイク」
構成・演出:山本貴久(陰湿集団)
客席に座れば舞台には音が流れて照明で照らされて役者が出てきて…そんな当たり前を味わってください。舞台と客席の境目を見てください。
−−
「Halo/Earth」
構成・演出:田村さえ
宮沢賢治の詩「春と修羅(mental sketch modified)」のリーディングと、浜田節子さんによる詩の「解析文」を元に、作品を作り発表します。
「春と修羅」、春/阿修羅、haru/asura、「Halo/Earth」。
Haloは光輪、太陽。太陽は、死者の行く世界。輝きを放ちながら、飛びたつ者たち。
Earthは地球。土、地面。地面に立つのは、生きている私。
太陽と地球。
死者と、私。
奇妙な妄想で、「私」は死者と、彼らが行く「死後の世界」を想う。
死者は何処へ行くのだろう。
Earth、土へ帰りながら、Halo、光輪を身につけ、輝く場所を目指す。
この詩は、ふたつの景色を持つ鎮魂歌である。
−−
「旅の準備をするにあたり」
作・演出:田村さえ